ノウハウコレクターと農耕民

前回はビジネス初心者さん向けに少し偉そうな話をしてしまいました。

初心者に求められる能力は環境を把握する観察力。そのうえで、リーダーたちと共生することが出来るのか、あるいは彼等とは違うどんな「棲み分け戦略」を選択すべきかをしっかり検討しましょう!といったお話でした。

「お前がナンボのもんじゃ!?」と言われてしまえばそれまでですが、紆余曲折ありながらも何とか独立10期目を迎えた今の私が正直に感じるところ、もう少しだけ調子に乗って、前回の続きをお話ししたいと思います。

ズバリ、今回のテーマは『ノウハウコレクター』です。

ノウハウコレクターは悪なのか?

出発点はこの議論です。

ビジネスの指導者、とりわけネットビジネスの先生方などは、口をそろえて『ノウハウコレクターは悪だ!』と言っておられます。

本当にそうなのでしょうか?

私はそうは思いません。なぜなら、私自身が生粋のノウハウコレクターだからです。

これまで数々のノウハウを鬼のように収集し活用してきたからこそ、何とかこの十年間メシを食ってこられた、そんなふうに確信していたりします。

でも、だからと言って、『ノウハウコレクターは正義だ!』とまでは言えません。

たしかに、多くの先生方が『悪』の烙印を押しておられるように、間違ったノウハウ収集に走っているビジネス初心者さんも少なくないようです。

そこで、「ノウハウコレクター」について、もう少し丁寧に議論していくことが大切なのではないかと思うのです。

二種類のノウハウコレクター

さて、まずお伝えしたいのが、ノウハウコレクターには大きく分けて2種類のタイプがあるということです。

ノウハウコレクターのモノの見方や性格によって区分されます。

簡単に言うと、一面的なモノの見方をするノウハウコレクターと、多面的なモノの見方をするノウハウコレクターに大別されます。

このことは、当ブログで扱うテーマの一つでもある『競争戦略』にも関わってきます。

たとえば、業界リーダーが支配するビジネス市場の中で、その支配的なやり方(ノウハウ)を一面的に追従することしか知らないノウハウコレクターが間違いなく存在します。

ですが、その一方でそれとは逆に支配的なやり方(ノウハウ)をじっくり観察しつつ、それとはまるで異なる切り口で採るべき戦略を見出すタイプのノウハウコレクターも存在しているという事実があります。

前者のタイプは、大きな角をもつカブトムシに紛れて追従し、彼らと同じやり方をそのまま再現しようとして失敗します。なぜなら、大きな角をもっていないからです。

後者のタイプは、大きな角をもつカブトムシの行動を熟知したうえで、大きな角をもっていないかもしれない自分自身の可能性についても幅広く検討するので安易に追従することなく、それと同時に別の選択肢を模索するのです。

しばらくすると、前者は何かがおかしいことに気づきます。「あー、おいらは大きな角なんてもっていなかったんだ」とようやく勘づくのです。でも、その頃にはかなりの歳月を費やしています。

だったら、前者の立場を捨てて後者のタイプに切り替えたら良いのに、前のリーダーとは別の大きな角をもつリーダーを新たに見つけ、そのやり方(ノウハウ)にわが身を委ねようとしてしまうのです。

こんなことを飽きもせず延々と続けられるのが前者タイプ。実は生真面目なタイプのノウハウコレクターなのです。

では、後者タイプはどうか?というと、実は前者タイプと同様に様々なリーダーが売り出しているノウハウを買い漁っては喜んでいることに変わりはありません。

なので、前者と後者、どちらに属するのかは外見からはなかなか識別できないのです。

ですが、良く観察してみるとわかります。後者の喜んでいる理由が、前者とはまったく異なるのです。

リーダー追従型の前者が、「これで俺も金持ちになれるかも」と興奮気味に喜び勇んでいるのを尻目に、いろんなリーダたちが市場で演じているノウハウを数多く知ることで彼らとガチンコ勝負を回避できる手がかりを得ることが出来る、まさに後者はそのことに喜んでいるのです。

「競争市場の現状を把握する」これが、後者タイプのノウハウコレクターがノウハウをコレクトする重要な目的です。そのうえで、弱者としての戦略を自分自身で描くのです。

さて、あなたはどちらのタイプのノウハウコレクターでしょうか?

前者?

それとも後者?

狩猟型ノウハウコレクターと農耕型ノウハウコレクター

ここまで、リーダーに完全に追従する前者タイプとリーダーとは異なる弱者の戦略を描くためにリーダーの研究に努める後者タイプの二つのノウハウコレクターについてお話を進めてきました。

でも、いつまでも「前者」「後者」では分かりにくいのですね。

そこで今後は便宜上、前者タイプを『狩猟型ノウハウコレクター』、後者タイプを『農耕型ノウハウコレクター』という呼び方で統一してまいります。

狩猟型ノウハウコレクターは一面的であり、直線的でもあります。

おいしそうな獲物(ノウハウ)がそこにあれば、すぐに飛びつき消費します。

食いつくした後に何も残っていないことに気づくと、次の獲物(ノウハウ)を一面的かつ直線的に探し彷徨います。

これを繰り返し繰り返し、延々と何年でも継続できるのが狩猟型ノウハウコレクター。おそるべき生真面目さと根気強さです。

農耕型ノウハウコレクターは多面的であり、曲線的でもあります。

おいしそうな獲物(ノウハウ)がそこにあれば、すぐに飛びついてはみるものの、まずはしっかり味わいます。

そして、そのノウハウを自分自身で演じるにはどうしたら良いか?たとえば、リーダーと同じ場所や時間でいいのか?といったことを冷静に吟味するのです。

あるいは、今手元にあるノウハウと、以前手に入れたノウハウとを組み合わせてみたらどうなるか?自分自身が表現しやすいノウハウへと昇華するのではないか?

こんなふうに考えています。

だから、狩猟型ノウハウコレクターが直線的に浪費するだけで、気づいてみたら何も残っていないという場合がほとんどであるのに対し、農耕型ノウハウコレクターはノウハウをコレクトすればするほど力が蓄積されていくのです。

さて、あなたはどちらのタイプのノウハウコレクターでしょうか?

狩猟型?

それとも農耕型?

外側の世界に身を委ねるノウハコレクターと利用するノウハウコレクター

物事を一つの側面でしかとらえることの出来ない石頭な狩猟型は一つの方法が通用しなくなったら、「さて次は何をやって稼いだらよいのか?」「何か他に新しい方法はないか?」と彷徨い続けているだけです。

結局のところ、彼らの視線の先にあるのは、常に(誰かが作り上げた)外側の世界だけなのです。

一方、農耕民としての視点をもったノウハウコレクターは、一つの稼ぎ方にも多様な面があり、どの部分にスポットライトを当てるかによって、従来とはまるで異なる切り口を見つけることが出来ることを知っています。

もし、そんな切り口を一つのノウハウから常時5個も6個も見つける術を知っていたら、ビジネスとして、これ以上の安定材料はなかなかないと思いませんか?

農耕型ノウハウコレクターは、外の世界に過度に期待することなく、むしろそれを利用することを真っ先に考え、どんどん新しい切り口に組み替えます。

なにせ私自身が、毎度ベラボーな新聞図書費の計上で税理士さんを固まらせるほどの農耕型ノウハウコレクターなので(笑)、この手の「切り口」に関するお話しは得意中の得意でもあります。

なので、今後も適宜そんな切り口について取り上げてまいります。

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